ボードゲームの妄想書き散らし処

作ったものとかまとめます。

パチスロシミュレーター:デザイナーズノート

1.はじめに

 この記事はゲームマーケット2022秋にて発売される新作ボドゲパチスロシミュレーター』の作者が、なぜこのようなゲームを作ったのかを自分で解説する記事だ。

 言うなればデザイナーズノートの様なものだが、そこまで厳かなものではない。ほとんどの人にとっては興味がないものだろうけど、ゲーム制作者の思考が知りたいという酔狂な人が読んでくれると嬉しい。

 

内容は『パチスロシミュレーター』のシステムについて細かく解説……というよりは「パチスロ」がテーマのゲームを何故作ることになったのか、つまりコンセプトの話が中心になっている。ゲーム自体に興味がない人でもそれなりに楽しく読めるようにはするつもりである。

 

パチスロシミュレーター』がどんなゲームか知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

gamemarket.jp

 

2.僕がこの記事を書いている訳 ~同人ゲームの魅力~

 僕は「パーティ太郎」という(ふざけた)名前で同人ゲームを製作している。これまで2つのマーダーミステリーと2つのボードゲームを世に出した。

そして来たる10月29日に開催される「ゲームマーケット2022秋」でも新作を発売する予定だ。そしてこの大量の同人ゲームが発売される「ゲームマーケット」というイベントは非常に楽しく、エキサイティングなイベントだと僕は思う。

 

 だけど「同人ゲームはハズレが多く、値段も割高。評判の良いゲームは後から出る商業版を買えばいい」という考えの人も結構いるだろう。この意見は実際的を得ている。同人ゲームの多くは所謂普通のボードゲームと比べて調整が荒いゲームは多いし、コンポーネントも値段の割にはチープになりがちだ。

 たまに化け物みたいな傑作が発売されることもあるが、それを探すため毎回イベントに行き、ゲームを大量に買うというのは、あまりに割に合わない行動だと思う。

 

じゃあ同人ゲームの魅力は何だと聞かれたら、僕は「商業作品と比べると制約無く、好き勝手作れること」だと思う。

同人ボードゲームは基本的に制約がない。

お金というリスクを払えば好きな作品を創ることが出来る。

それだから商売というよりは、自分の好みをこれでもかというくらい詰め込んだゲームや、尖がったゲームを出すことも出来る。勿論それが売れるかとか、評価されるかというのは別としてね。

「俺の好きなものを詰め込んだからていってくれ!」みたいなゲームはとても楽しい。作品を通して作者を知れるというのが同人ゲームの大きな魅力だと僕は感じている。同人ゲームにおいて作者の存在は極めて大きいものだと言えるだろう。

 

(まあ実際には全ての同人ゲームがそうではないし、大手が発売しているようなボードゲームが作者の好みやこだわりを反映していないのかというと全然そういうわけではないが……しかしゲームマーケットのような即売会は、作者が手渡しで商品を売るというのも相まって、そういった幻想を抱かせてくれる場だと思う)

(文字ばかりの記事を憂いて挿入される特に意味のない画像)

 

だからこそ僕は同人ゲームの作者には、自分の作品のシステムやコンセプト、どういった意図で作ったのかをもっと解説して欲しい。例えば「〇〇というゲームが好きなんですが、△△の部分が現代的ではないと感じたので、このような意図でアレンジしました!」と示してくれれば、ゲームをプレイするときにそのような角度で評価して楽しむことが出来る。

実際にその試みが成功していなくても、コンセプトが明瞭に示されているなら、それが「なぜ上手くいかなかったのか」を分析して楽しむことが出来るからだ。そういったことが出来るのが、購入者と作者の距離が近い同人ゲームならではの魅力だと言えるのではないだろうか。

 

これが一般的なものかは分からないが、僕はこういう考えでゲムマを楽しんでいるし、ゲームを製作している。僕が毎回自作ゲームの紹介を書いて制作意図を示すのは、こういった考えによるものだ。

勿論ゲーム単体で見ても、僕自身は面白いと思えるものを作っている。

だけど僕はまだまだ未熟だし、試みが上手く成功しているかは分からない。

実際買ってみたけど、自分とは合わないということもあるだろう。

 

そういう時のために、様々な角度からゲームを楽しめるように、自分の考えや制作意図を書き記している。この記事を書いているのもそういう理由だ。

 

 

3.何を重視してゲームをやるのか?

じゃあ次に今回は何をコンセプトにしたのかという話に入っていこう。

その前に1つ、「ゲームをプレイする際に何を重要視するのか」という部分に触れておきたい。

「何を重視してゲームをやるのか?」、この答えは人によって千差万別だ。

コミュニケーションツールとしてゲームをやるのか、システムの美しさを重視するのか、はたまたテーマへの没入感を求めるのか。

これらの要素はどれも多かれ少なかれ、僕もゲームに求めているものではある。

でも僕が何を重視してゲームをプレイしているかというと「新しいものに出会いたいから」というのが一番だと思う。

今までの自分が触れたことのない新しいシステムやアイデアに触れるのは、非常に刺激的で楽しい瞬間だ。勿論システムが洗練されたゲームだって楽しむが、一番底の部分にはそういったもの出会いたいという気持ちが常にある。(だからゲームマーケットが好きなのかもしれない)

(アナログにしろデジタルにしろ、新しいものに触れるのはいつだって楽しい)

 

それだから僕は自分が制作するゲームに「何らかの新鮮さ」を取り入れたいと思っている。でもこれは思っている以上に大変なこと。だって僕らは天才ではないからだ。

基本的に僕らが思いつくアイデアは、知らないだけでどこかで試されていたり、組み込んでみようと考えたが欠陥があって没になっていると思った方がいい。

人類の長い歴史の中で自分が一番初めに思いついた、と考えるのは客観的に自分を評価できる程の知識と経験が無いか、それか本当の天才のどっちかだろう。

 

それに「独創的」と評されるゲームの全てのシステムが、これまで見たことない新鮮なものかというとそうではない。中核となるアイデアは新鮮でも、その脇を固めるシステムはこれまでのゲームを土台にしていたり、それまでのゲームジャンルを踏まえた上でひねりを加えたり。そういったゲームが「独創的」だと評価される。

 

要するに何が言いたいのか。

つまり「何らかの新鮮さを取り入れたゲーム」を作りたいのなら、他のゲームの知識や分析が必須だと言うことだ。だからこそ、僕はどのようなゲームを作れば「新鮮な体験」をプレイヤーに与えられるかを考えることにした。

 

4.新しさに満ち溢れた2つのゲーム

ではここで僕が「独創的」だと感じたゲームを2つ紹介しよう。

前例を見ることで何かしらの共通点が見えてくるかもしれない。

 

1つ目は『ミレニアムブレード』だ。

『ミレニアムブレード』はいわゆるTCGをモチーフにしたボードゲームだ。

基本セットだけでも600枚を超えるカードが登場する、この(イカれた)ゲームは様々なアイデアに満ちている。例えばボードゲームの要素とTCGの要素が組み合わさった戦闘システムや、デッキ構築が主流のボードゲームにおいて、あえて構築と戦闘のフェイズを切り離し、リアルタイムで管理させるという部分も特筆すべきところだ。

 

だがやはり『ミレニアムブレード』の何が一番「独創的」だったのかと言われれば、大量のカードを用いてTCGのゲームとしての面白さ」ではなく、「TCGを趣味として遊ぶ面白さ」を再現しようとした点だろう。

『ミレニアムブレード』では「パックを向いて強いカードが当たる」「出たカードで自分だけのデッキを作る」「シングルを売買してカードを揃える」「友達とカードをトレードする」「コレクションを作る」といったTCGを遊ぶ上で必要不可欠な体験をゲームに取り入れている。TCGライクなボードゲームは沢山あるが、基本的にそれらの多くは「カード同士のコンボ」「プレイヤーの読み合い」といった「TCGというゲームの面白さ」を追求したものだった。

ゲームシステムだけ見るなら、かなり荒々しく実力だけではどうにもならない部分はある。しかし『ミレニアムブレード』のこの一連の試みは、とても新鮮でエキサイティングなものに思えた。

 

2つ目のゲームは『タイムオブサッカー』だ。

これは見た通りサッカーをテーマにしたゲームだ。

プレイヤーはサッカークラブのオーナーとなって強いチームを作り、優勝を目指す。

いわゆる「スポーツ経営シミュレーションゲームボードゲームに落とし込んだものだといえるだろう。(わかりやすいのはサカつく

このゲームがイカれているのは120分でサッカーの1シーズンを全てやりきろうとしている所にある。プレイヤーは選手を集めてチームを作る。そのステータス管理は複雑で難解、だからこそやりごたえがあるシステムになっている。

そして選手だけでなく、チームを管理するスタッフや広告の獲得といったものも同時に行わなくてはならない。プレイヤーはチームに関わるあらゆるものに対して決定を下さねばならない。

そうやって強いチームを作っても、試合はダイスで行われ、圧倒的に有利な状況でも負けることはあり得る。これを運ゲーだと評する人もいるだろう。(実際そう)

だが僕は絶対に勝つ、絶対に負けることがないからこそ、ダイスの出目に一喜一憂できるし、サッカーというスポーツが持つ熱を上手く表現できていると感じる。システムの特異性も相まって『タイムオブサッカー』は他のゲームでは味わえない楽しさに満ちている。

 

5.2つのゲームの共通点は何か?

『ミレニアムブレード』と『タイムオブサッカー』、これら2つは「独創的」なゲームであると思う。ではこれらに共通点を見出すことは出来るのだろうか?

 

僕はこれら2つのゲームは「別のジャンルの面白さを再現しようとしたもの」だと考えた。例えば『ミレニアムブレード』はTCGという1つの遊びに触れる上で体験できる面白さや感動を上手く再現しようと試みている。

『タイムオブサッカー』はサッカークラブ経営という枠組みの中で、戦略を立てる楽しさや試合結果に一喜一憂する面白さを再現しようとしている。

 

これらの面白さは本来TCGのコミュニティ」や「スポーツ経営シミュレーション」で味わえる類のもだ。それらを親しんでいる人にとってはいつも味わっている面白さと言えよう。しかし普段それに触れていない人にとってはとても新鮮なものに見えるのではないか?

 

僕が注目したのはこの部分だ。

もし「別の遊びやジャンルの面白さを再現すること」が出来たなら、それはボードゲーマーには新鮮なゲームとして受け入れられるのではないか?

 

この実験的な考えが、今作『パチスロシミュレーター』を作るきっかけになっている。そして面白さを再現しようとしている遊びとは当然パチスロのことである。

 

6.パチスロの面白さとは何か

なぜ「パチスロ」というテーマでゲームを出したのか、これにはいくつか理由がある。

例えば販売戦略の面。ゲムマでは大量のゲームが発売されるため、どうにかして注目して貰う必要がある。その中でパチスロというあまり見ないテーマはアピールポイントになると考えたからだ。

 

だが一番の理由は「パチスロ」が独自のゲーム性を持っているからだ。

その前にパチスロについて詳しくない人がいるだろうか軽く解説を行おう。

 

パチスロの面白さとは何か。これも人によっては様々だろう。

単純に金が増減するギャンブルとしての面白さ、または光と音が作り出す演出が堪らないという人もいるだろう。だが僕はパチスロの面白さは「設定判別」というゲーム性にあると考えている。

 

そもそもパチスロはどのような理論で勝つギャンブルなのか。

スロット台には「設定」というものが存在する。設定は大まかに1~6まで存在し、パチンコ店はそれを1日単位で好きに変更することが出来る。

「設定」にはず~っと打ち続けてたら、これくらい儲かるよ、これくらい損するよ、という基準値(機械割という)が定められている。もちろん必ずしもその基準値通りになるわけではないが、長い目で見ればその基準値に収束するようになっているのだ。

つまり台に座る前から設定が分かっているなら、基本的にパチスロは絶対に負けないギャンブルだと言ってもいい。だがそんなに簡単な話ではなく、見た目だけでは設定を見分けることが出来ない。

だからプレイヤーは実際に遊戯して、データを取って設定を調べていく。

この「設定を少しずつ探っていく」というのがパチスロのゲーム性だ。

 

僕はそこまでパチスロを打つわけではないが(こうやって書くと言い訳みたいで嫌だけど)、初めてそれに触れた時、このゲーム性は新鮮で面白いと感じた。

この体験はパチスロ独自のものだし、「別の遊びやジャンルの面白さを再現すること」においてはもってこいのテーマだ。こうしてパチスロの面白さを再現すること」をコンセプトに決めて、『パチスロシミュレーター』の制作が始まった。

 

7.面白さの再現

この記事ではそれぞれシステムについて細かな解説を入れることはしない。

何故ならそんな話をし出すと、更に難解で分かりにくい話になってしまうからだ。

もし機会があったら、ゲームの変遷を細かく記載するかもしれない。が、今回ではない。ここでは製作する上で意識していたことを簡単にまとめる程度にしておこう。

 

パチスロシミュレーター』を製作する際、特に意識したのは2点。

①「設定判別」をゲームの中心に添える

②「テーマの再現」ではなく、「面白さを再現」すること

 

1つ目の「設定判別をゲームの中心に添える」、これは『パチスロシミュレーター』があくまで「設定判別をボードゲームに落とし込む」のが主目的であることを意味している。

例えば『パチスロシミュレーター』では専用のシートとペンを使うので、既存の紙ペンゲームなどの要素を取り込むことも出来た。確かにこれは実際に試したし、そう悪いものではなかった。しかし「紙ペン的面白さ」と「設定判別の面白さ」が綺麗に合体しているというよりは、それぞれの要素が独立した面白さを主張しているという印象を受けた。

であるならば、いろんな要素を足すよりも「設定判別の要素をボードゲームに落とし込む」という部分をより強く押し出した方が引き締まったゲームになるのではないかと感じた。『パチスロシミュレーター』は既存作品のシステムを踏襲したというよりは、ワンアイデアを煮詰めて出来上がったゲームだ。

要素を足してバランスを取るより、ワンアイデアの鋭さで勝負する方が効果的であると考えた。そのため「設定判別」以外の要素はあまり取り入れず、入れたとしても目立ちすぎないように調整を行うことにした。

(ゲームの中心はあくまで6つの山札の推測すること)

 

ゲーム的に物足りなさを感じる人がいるかもしれないが、僕は「30分のゲーム」としてはこのくらいシンプルな方が良いと感じている。

 

 

 

2つ目は「テーマの再現ではなく、面白さを再現すること」

パチスロシミュレーター』は現実のパチスロを意識しているが、実際のスロット台と異なる部分は多く存在している。パチスロに詳しい人が見たら、「そうじゃないだろ!」と叫びたくなる部分もあるんじゃなかろうかと思っている。

だが僕がやろうとしたのは、あくまで「面白さの再現」であって、「テーマの再現」ではないのだ。「別の遊びの面白さを再現すること」と「テーマを再現すること」は全く別のものだと思って欲しい。

例えば選挙をテーマにしたゲームがあったとしよう。

「テーマの再現」にこだわって実際の規則や法律を限りなく再現したゲームが出来上がったとする。だがそれは本当に面白いゲームなのだろうか?いや、きっとそれは複雑な処理が大量にある面倒なゲームでしかない。(これはこれで好きな人はいるだろうが)

 

つまり僕が言いたいのはテーマを再現するのが必ずしも良いとは限らないってことだ。

僕らが作るのはあくまでゲームで、それは楽しいものであるべきだ。

だからパチスロの面白い部分、人から愛される部分はしっかり抜き出しつつも、その再現にこだわり過ぎないように気を付けた。結果、「らしさ」と「面白さ」が両立した作品になっていると思う。

 

8.考察:なぜパチスロボードゲームが存在しないのか?

まとめに入る前にもう1つだけ触れておきたい議題がある。

それは「なぜパチスロボードゲームが存在しないのか?」という点だ。

僕は『パチスロシミュレーター』を作成する際に、似たようなコンセプトのゲームが無いのか調べた。だが僕が調べた限りではパチスロの設定判別」をテーマにしたゲームは見つからなかった。(単純に僕のリサーチ能力が足りてないのもあるけど)

ここで「僕が初めて思いついたんだ!やったー!」と考えるのは危険だ。

先に述べた通り、自分が思いつくアイデアは他人が既に考え付いていると思った方がいい。だとするならなぜパチスロのゲームが出ないのか?これは「パチスロのゲーム性」がいくつかの問題を抱えているからだと僕は考えている。

ここでは僕が考えた「パチスロボードゲームに落とし込む」際の問題についていくつか取りまとめることにしよう。

 

【問題①:パチスロのゲーム性は長時間の遊戯で成立するものであること】

パチスロにおいて設定を推測することがメインのゲーム性だと述べたが、実際にはそれは非常に長い時間かけて行うものだ。パチスロの場合、2~3時間とかそのくらいの時間をかけなくてはゲームとして成り立たない。これは大量のデータから設定を推測するというゲームを成立させるにはしょうがない部分ではある。しかし結果としてプレイヤーは長い時間単純な動作をずっと繰り返すことになる。パチスロの場合、これをギャンブルという要素や演出で誤魔化しているが、ボードゲームの場合はそうもいかない。

パチスロのゲーム性を再現するためには「データ集め」という段階を踏む必要があり、それは単調で退屈なものになる可能性が高い。

 

【問題②:事前に知識を入れておく必要があること】

パチスロで設定判別をする上で必要になるのは台の知識だ。

どういった部分に設定差があるのか知っておかなければ推測することも出来ない。

これをそのままボードゲームに落とし込むとなると、プレイヤー全員に事前に攻略法を憶えて貰う必要が出てくる。それは非常に手間だし、面倒だ。ゲームをプレイする前に何かを憶える必要があるというのは、プレイヤーにとってはプラスの要素ではない。



他にも挙げようと思えばいくつかあるのだろうが、僕はこの【問題①】と【問題②】が特に大きな課題であると考えた。一応『パチスロシミュレーター』ではこの問題に対して対策を行っている。

例えば【問題①】に対しては、それぞれの設定差をかなりわかりやすいものにすることで、そこまで長い時間を掛けずにも推測が行えるようにしている。加えてリアルタイムでゲームを管理し、決められた時間で必ずゲームを終了させることで、同じ動作の繰り返しというストレスを許容できる範囲に抑え込もうと試みている。

【問題②】に対しては説明書に「設定判別の進め方」という簡易的な攻略法を付属し、初プレイの際にそれを共有するように指示することで、何も分からないという事故が起きる可能性を減らしている。また、ついたてに記載された各設定ごとのグラフは、初心者が直感的に推測が行えるように実装されたものだ。

(プレイヤーはグラフを用いてざっくり推測することもできる)

 

このように2つの問題に対して対策を講じてはいるが(実際僕は許容できる範囲だと判断した)、この部分がウィークポイントであることは違いない。

パチスロシミュレーター』でも「大量のシャッフル」という事象を生み出しているし、よく分からないままゲームを始めて何も分からないまま終わるというプレイヤーが発生する可能性はある。

 

もし今後似たような要素でゲームを作ろうとするなら、この2つの問題は大きな足かせになるだろう。だが同時に「設定判別の要素」、というかある程度の法則で生成されるデータを基に推測を行うという要素には可能性も感じている。

今回はその部分に可能な限りスポットライトを当て、「パチスロ」というテーマでまとめ上げたが、それにこだわらずとも他のゲームに実装できるシステムではないか。例えば単調になりがちな「データ集め」の部分を、何か別の要素を足して面白さを補填できるのなら、別の形でゲームを完成させることも可能だろう。

 

パチスロシミュレーター』を面白いと感じてくれた誰かが、似たようなアプローチでゲームを作ってくれないかなと、僕は期待している。

勿論、この記事を読んでいる君たちがやってくれても構わないよ。

 

9.まとめ

長くなったから、最後に要点をまとめよう。

①同人ゲームの魅力は「作者がある程度好き勝手に制作できること」

②だから同人ゲームの作者はコンセプトを明確に示すべき。

③何か「新しい体験」が出来るゲームを製作したかった。

「別の遊びやジャンルの面白さを再現すること」で、それに馴染みが無い人にとっては新鮮なものに見える。

⑤今回やろうとしたのはパチスロの面白さ」を再現すること。

「設定判別」をボードゲームに落とし込むという軸はぶらさない。

⑦あくまで「テーマの再現」ではなく「面白さの再現」を目指す。

パチスロのゲーム性をボードゲームに落とし込むのには課題もあるが、発展の余地も残っている。

 

さあ、長かった記事もこれでおしまい。

最後の方は「公式がネガキャンしてんのか?」と疑うような内容になったが、興味をもってくれた人には誠実な方がいいだろう。それに記事で挙げた問題は確かにありつつも、今作ではそのストレスを出来るだけ軽減するようにもしている。

そして何よりも当初の目的、パチスロの面白さを再現すること」、「新しい体験が出来るゲームを作ること」といった部分に関しては間違いのないものが出来たはずだ。僕自身は『パチスロシミュレーター』をかなり面白い作品だと思っているよ。

洗練された傑作……という感じではないかもだけど、荒々しく尖がった同人らしい魅力の詰まったゲームではある。少しでも興味を持っているなら是非遊んでみて欲しい。

 

パチスロシミュレーター』はゲームマーケット2022秋に「土イ37‐サイシュピール」ブースにて販売される。価格は2500円。

確実に手に入れたい方はこちらの取り置き予約フォームの利用がオススメだ。

ゲムマ2022秋「サイシュピール」取り置き予約フォーム

 

 

買ってくれた方は普通に遊んで楽しむのも良し。

この記事にいくつか示した、

・本当に『パチスロシミュレーター』は新しい体験が出来るゲームか?

・「別の遊びやジャンルの面白さを再現する」という手法は再現性があるのか?

・「パチスロの面白さ」をきちんとゲームに落とし込めているのか?

・「パチスロ」の要素をゲームに落とし込む時ネックになるのは何か?

といった視点で分析して楽しんでもいいだろう。それでレビューなんか書いてくれたら僕としては最高だ。

まあいずれにせよ、どんな形であれ楽しんでくれたら、作者としては嬉しいな。

是非ゲームマーケット会場でお会いしましょう。

 

10.おまけ

この記事を読んで興味を持ってくれたなら、是非僕が過去に出したゲームもチェックしてみて欲しい。特にボードゲーム2種はゲームマーケットにも持ち込むから、ついでに買ってみるなんてことしてくれたらとっても嬉しい。

 

コンクルージョンは3人用トリックテイキングゲーム。

コンセプトは「コルージョンを3人用にアレンジしつつ、遊びやすくすること」

▼紹介記事

ゲーム紹介『コンクルージョン』 - ボードゲームの妄想書き散らし処

 

『解脱RTAは3~4人用の小箱ゲーム。

コンセプトは「30分で手軽にマルチの面白さを味わえるゲーム」

▼紹介記事

新作ボドゲ【解脱RTA】発売前パーフェクト攻略ガイド | 『ゲームマーケット』公式サイト | 国内最大規模のアナログゲーム・ テーブルゲーム・ボードゲーム イベント

 

『七つの死体と一人の男』は2人用マーダーミステリー。

コンセプトは「初心者が1時間でマダミスの面白さを体験できるゲーム」

▼ゲーム(無料です)

2人用マーダーミステリー『七つの死体と一人の男』|パーティ太郎|note

 

『超能力者バトルロワイヤル』は5人用マーダーミステリー。

コンセプトは「パッケージでマーダーミステリーを作る意味」

ただこの作品は今在庫が無いから買うことは出来ないけど……

 

 

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